第5章 鉄骨娘
言った側から、とはこのことか。
いざ呪いを探索するかというときに上から感じた気配。虎杖の頭上には、大きな鎌を振り上げ
今にも首を断ち切ろうとする呪霊が現れた。
バシュッ!
瞬間
肉が切れる音と共に床に落ちる呪霊の片腕。
「れ‥しぃと‥ごりょ う‥」
言葉にもなってない声を発しながら、切られた腕からはぼたぼたとどす黒い血が滴り落ちる。それは人間とはかけ離れた異形の色をしていた。
虎杖は即座に構え、真正面から突っ込む。
またの下をくぐり抜け瞬時に後ろへ回り込み
五条から受け取った呪具"屠坐魔"を呪霊の脳天へ突き刺した。
対象はピクピクと痙攣を起こし絶命する。虎杖は見かけ以上に身体能力が良い。遺伝なのかなんなのかはわからないが、抜群の身体能力と異形に対する恐れのなさは虎杖にとっての強みとなっていた。
「ナイス月瑠!助かった!」
「ううん、‥それより、もう一体」
「ンばぁ、ど、ドドドぁあ」
「!まだ居たのかよ!」
呪霊を倒した虎杖の後ろには先程とは別の呪霊。
虎杖は脳天に刺していた呪具を引き抜き再度構えようとした。
しかし
ドン!!!
虎杖が動くまでもなく、呪霊は廊下の奥の壁へと吹っ飛ばされた。
月瑠が自身の呪力をそのままぶつけたのだ。
虎杖を襲おうとした呪霊は絶命し、月瑠は一息つく。
ただ呪力を飛ばした"だけ"でこの威力。虎杖は思わず唾を飲み込んだ。