第5章 鉄骨娘
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「あ"〜‥タルっ。なんで東京まで来て呪いの相手なんか‥」
「?呪い祓いに来たんだろ」
釘﨑野薔薇は五条に言われ渋々廃ビルの呪いを祓うことになって、現在かなり不機嫌だ。イライラしている雰囲気が体全体で湧き上がっており、虎杖も何だこいつといった感じに引いている。
「取り敢えず、2手に別れよ。‥私も虎杖も今術式使えないからペアでも良い?」
「OK。寧ろその方が有り難いわ。虎杖一人とか絶対無理でしょ」
「な‥っ!」
「時短時短。私は上から1Fずつ調べるから、月瑠達は下からね。さっさと終わらせてザギンでシースーよ」
月瑠の提案に釘﨑は了承するが、とにかく一言多い。たとえ事実の可能性があっても、虎杖からすれば不服だ。
「ちょっと待てよ、もうちょい真面目にいこーぜ。呪いって危ねーんだよ」
「最近までパンピーだった奴に言われたくないわよ!!!!さっさといけ!月瑠!この馬鹿よろしく!!」
「ってえ!今日ずっとお前の情緒が分かんねーんだけど!?」
「だからモテないのよ!」
知らないのかと虎杖に言われた釘﨑は眉間に青筋を立てて虎杖を蹴り上げる。昔から呪いを見てきた釘﨑に対し、最近呪いについて多少知った虎杖に諭された事が我慢できないのだろう。
月瑠に半ば強引に虎杖を頼み、自分はとっとと階段を登っていった。
「テメーは言うほどモテんのかよ‥」
「まぁまぁ、‥とにかく私達は野薔薇に言われた通り下から回ろ。何かあればサポートくらいはできるから‥‥たぶん」
「たぶんかよ」
「──────!、虎杖!上!!」
「!!」