第5章 鉄骨娘
「おっ、月瑠、五条先生」
「おまたせー」
「呼びに行っただけの筈なのに割りと遅かったな」
「てか月瑠ちょっと顔赤くね?大丈夫か?」
「赤くない!!……っ大丈夫」
先程と同じ位置で待っていた伏黒と虎杖の元へ合流する。
どうしたのかと不思議そうに月瑠の顔を見る虎杖と即座に反論する月瑠。伏黒だけは何かあったんだなと察す。
因みに、五条は後ろで肩を震わせていた。
「それよりなんで原宿集合なんですか?」
「本人がここがいいって」
「アレ食いたい!ポップコーン!!」
「虎杖は元気ね…」
落ち着いている伏黒とは対極的に虎杖ははしゃぎまくっている。
月瑠も多少は楽しみにしていたが、先程の災難と人の多さに既にどっと疲れた。早く4人目の一年生と合流したいと。
もう一人は、いったいどんな人物なのだろうか。
「──────ちょっとアンタ。私は?」
「えっ」
「モデルよモデル。私はどうだって聞いてんの」
ふと道路向かいを見れば、ついさっき月瑠をスカウトしていた男性に絡むショートカットの女性。
"スカウト"の筈なのに女性側が自らをモデルにどうかと売り込んでいる異様な光景に
スカウトマンの方が『今急いでるんで』などと言って振り切ろうとする始末。
服装が高専の制服なため、4人目の一年生だと言うことは見て分かる。
「えっ、何。俺達、今からあれに話しかけんの?ちょっと恥ずかしいなあ」
「おめえもだよ」
確かに話しかけるには躊躇してしまいそうではあるが、恥ずかしいと言った虎杖もポップコーン片手にふざけたパーティーサングラスを付けている。
伏黒の言う通り、正直どっちもどっちだ。
「おーい、こっちこっち」
最終的に、五条が彼女を呼んだのだった。