第5章 鉄骨娘
振向けば
そこには月瑠か今呼びに行こうとしていた人物。
目を隠し黒い服を着た白髪長身の五条悟
「待った?」
「まっ…て、ない、けど、…っ」
ナチュラルに肩を抱かれ、近すぎる距離に変に緊張してしまい言葉がカタコトになる
(近い……!!)
自分の顔が徐々に熱くなっていく気がした。
「すいません、僕"たち"これから用事があるんで」
「えっ、いやあの、…っ失礼しました」
笑顔で対応はするが五条の軽い威圧にスカウトマンの男性はたじろぎ去っていく。目を隠した長身の男にこんな事を言われれば、たじろがない方が無理があるというものだ。一難去り、月瑠はほっとするが、
「何緊張してんの」
「…っしてない…っ!!ちょっと、びっくりしただけ」
肩を抱かれたまま、顔を先程よりも近づけられ慌てて距離を取る。鼓動が速い心臓を抑えて月瑠は深呼吸した。五条の行動は相変わらず読めなくて再会数秒で振り回される。
当の五条は月瑠の反応を見て楽しそうにしていた。それが余計に腹が立つが
ただ、今回は助けてもらっただけではあるため小言は控えた。
「悠仁と恵は?2人と一緒に来たんじゃないの?」
「……向こうで待ってる。五条が見えたから、呼びにきただけ」
「集合場所決まってるんだからどうせすぐ見つけれるのに。見かけてすぐ僕の方来るって、僕の事大好きじゃん」
「……違う」
呼びに行くついでに少し気分を変えようとしただけだと即答するも取り合えって貰えず月瑠は諦める。
伏黒や夜蛾の苦労を改めて感じた気がした。