第4章 初志貫徹
今の自分が考えている事を伝え切り、月瑠は静かに学長を見る。
目はまっすぐで、決意の硬さの表れに見えた。
月瑠の掲げた目標は夜餓が言った通り曖昧だ。それに欲張りでもある。だが、誰に決められたでもない、月瑠自身が考えて決断し
そこに揺るぎないものがあることに意味があった。
「……悟。外で待たせてる虎杖と月瑠に寮を案内してやれ。それから諸々の説明もな」
「…!」
「合格だ。ようこそ呪術高専へ」
「!よろしく、お願いします」
一瞬だけ口角を上げた夜餓に手を差し伸べられ、月瑠は握手を交わす。その際、挙動不審気味に夜餓を見ながら、恐る恐る、。
「…?どうした」
「いえ…ボコボコに殴られると聞いていたものなので…」
「……女相手にそんな手荒な真似はしない…」
誰がそんな事を、と考えるが
答えは一人しか居ない。
月瑠と夜餓が横を見ると、肩を震わせながら必死に笑いを堪える目を隠した長身白髪の男。
虎杖の場合は呪骸によって確かに殴られまくった為全て間違いというわけではないが…
はぁ、と溜息をつき夜餓は眉間にシワを寄せた。