第1章 開幕
「‥で、ここがその発生源な訳ね」
人の気を感じない静かな場所
●●村付近××と呼ばれる山近くの洞窟の前に五条悟は立っていた
ピリピリと肌に痛みを感じるほどの力
確かにこの呪力は強すぎる
こんな力を放っておけば、いずれ麓の村にも悪影響が出るだろう
見えない壁へ近づけば『それ以上踏み込むな』とばかりに跳ね返される
けれど、呪いとはまた違う、言葉では説明できない気を五条は感じていた
「んー、なんらかの封印、が、少し解けてる‥って感じかなー‥っと」
見えない壁に手を当て、自身の力を込める
強い静電気のような衝撃を発しながら、洞窟の入り口の壁を難なく乗り越えた
しかし難なく、というのは彼が五条悟だからだ
普通の呪術師ならその壁に触れることすらできないのだから
中は洞窟内にもかかわらず昼間のように明るい
呪いを感じれば即座に祓う心づもりで悠々と奥へと進む
奥は想像よりも深くなさそうだ
「‥‥‥これは‥」
そこにあったものは、360°、どこからどうみても
札 札 札
何万枚もあるような古い御札の数々
最奥には朽ちかけた牢
そしてその真ん中に浮かぶ大きな丸い玉
鎖と札で頑丈に封印されているそれは、誰の目から見ても異様だった