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【呪術廻戦】/無題/

第4章 初志貫徹



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車や人の雑音などは一切なく。
聞こえるのは鳥の囀りや、風になびく木の葉の綺麗な音ばかり。
「スゲー山ん中だな。ここ本当に東京?」
「なんか凄く落ち着く…」

「東京も郊外はこんなもんよ?まあ月瑠はこういう風景の方が見慣れてるかな」

ひと学年に生徒が4人しか居ない学校なんて、山奥のど田舎で体験できるかできないかくらいのレア度とはよく言ったもので。
東京都立呪術高等専門学校…通称、呪術高専は本当に東京かと疑いたくなるくらいに
良く言えば自然が豊かな山の中に存在していた。

日本に2校しかない呪術教育機関の1校。多くの呪術師が卒業後もここを起点としており、教育のみならず任務の斡旋・サポートも行う呪術界の要である。

「取り敢えず、悠仁と月瑠はこれから交代で学長と面談ね。先に悠仁からやるから、月瑠は一旦ここで待ってて。10分後くらいに呼びに行く」 
「わかった」
「学長……」

校門というよりは寺の入り口のような場所の前で立ち止まり
五条は指示を出す。
学校なのだから学長がいても何ら不思議はない。
しかし学長という響きに、虎杖悠仁は多少の緊張をしているようだった。



二人が学長が待つ場へと歩いていくのを静かに見送り、改めて周りの景色を見る。
…そういえば、ここに来る前の新幹線で五条は虎杖が宿儺の器で間違いないと伏黒に話していた。

「………」

"宿儺"。それが呪いの王を指す、昔実在した人間という事は五条に聞いた。
しかしその名は月瑠にとって
何かを言いたくても言葉が出てこないような、歯痒い気持ちにさせた。
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