第2章 開/序
そう言って虎杖の身体を乗っ取った宿儺が手を広げ街を眺めた時
ガッ、と自身の右腕で自身の首を絞めた
『あ?』
「人の体で何してんだよ。返せ」
『……オマエなんで動ける』
両面宿儺は疑問を感じた。だがそう感じた時にはすでに遅し。
…体を乗っ取れない。抑え込まれる。
「!」
宿儺と虎杖が問答をしていた時。伏黒は今しかないと感じた。
本当はやりたくない。だが仕方がない。
「動くな。…お前はもう人間じゃない。」
「は?」
「呪術規定に基づき、虎杖悠仁、お前を─────"呪い"として祓う」
虎杖を睨みながら、術式を展開しようとする。
「いやなんともねーって。それよりも俺も伏黒もぼろぼろじゃん。はやく病院いこうぜ」
体に刻まれた紋様が徐々に消えていき、虎杖はもとに戻った様に伏黒に話しかける。
だが、伏黒には今話しているのが虎杖なのか呪物なのかさえ分からない。
(クソッ、どうしたらいい‥!?)
このまま祓うべきなのか。
自分を助けてくれたこいつを。
伏黒にとって重い天秤が課せられたように思えた。
「今、どういう状況?」
「!!五条先生!どうしてここに」
伏黒が悩んでいると
やぁやぁと、淡々とした雰囲気でようやく五條悟が現場に到着した。
本当は来る気がなかったけど、と月瑠にも言った内容で伏黒に説明する。
そして「いやーボロボロだね2年の皆にもみせよっと」とスマホを構えて傷付いた伏黒を撮りまくる。
本当にふざけているのかこいつ、と伏黒は苛つくも、五条には強く出れず苦虫を噛み潰すような顔をした。
「で、見つかった?」
「………」
「あのー…ごめん、俺それ食べちゃった」
「………マジ?」