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【呪術廻戦】/無題/

第1章 開幕



あれだけ大きな呪力を発し
あれだけ厳重に封印されていた少女
どう軽く見積もっても"特級"だと確信できる
しかしながら、呪術高専が登録する16体の内の1体ではなく
月瑠という名も今まで見た事も聞いたことも無かった

「じゃあ、次の質問。
月瑠の記憶が一部無い事は分かったけど、"自身は殺せない"と言った。その言葉の理由を知りたい」
「‥そのままの意味。私は死なない。
──────死ねない。
人として殺されようが、呪いとして祓われようが死なない。死ぬ事は許されない」
「許されないって、何に?」
「‥‥それは‥‥‥‥」




何に?
何に許されない??
(私は、"誰"に───────)



月瑠が考えても結果は分からなかった。
記憶が無いのか何なのかさえ。
けれど、その質問へ対する答えになってない解答は、同時に五条悟にも興味を抱かせる要因の1つとなったと言える

彼女が言った"死なない"は、おそらく反転術式の事だろう
反転術式とは、本来「負のエネルギー」ある呪力を体内で掛け合わし、「正のエネルギー」の呪力を生み出すことを指す
それを使えば、傷付いた身体を治癒する事も可能だし、術式そのものを覆すことも可能だ

呪霊ならば呪いから生まれた存在である故、人よりも簡単に行える
けれど月瑠は呪霊とは違う、人間の気も宿している
加え、呪力を使う以上限度があるし"祓えない"事はない筈だ

それを月瑠はあり得ないと言う
そして、あの厳重な封印
何とも不思議なものだ
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