第1章 落ちて拾われて
上手く笑えているだろうか。
意思が強い事を伝えられているだろうか。
これで終わってほしい。
自分を繕っていたくない。
何も言葉を続けようとしない私の目を、真っ直ぐ見ていた社長さんが、また柔らかく笑う。
「分かった。採用だよ! 早速だけど明日からうちの社員として。よろしくね、山中さん」
「おめでとうございます! 一緒に頑張りましょうね!」
二人に何やら歓迎された私。
採用って、あ、これ面接だったの?!
一体何の尋問なんやって、ヒヤヒヤしたわ!
なんか体の力が一気に抜けた。
めっちゃくちゃ怖かったんやもん!
びびった。
ああ、安心したら急に。
まぶた、が、重く・・・。