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Mia angela【リゾット・ネエロ】

第8章 回想


夢主side




__半年前



豪華な部屋に綺麗な服
異国の地でも、何一つ苦労する事の無い生活
でも私には自由がなかった。
ソファに座り窓の外をぼんやり眺める。

__コンコン

部屋のドアを叩く音が聞こえる。
『はい…』
ドアが開く
ジョルノが私に微笑んだ。
「夢主、あなたの好きなドルチェを買ってきたんだ。
一緒に食べませんか?」
『グラッツェ…』
ジョルノが机の上にプリンと紅茶を置いて、私の隣に腰掛ける。
そして私の頬にそっとキスをした。
「二人の時は、日本語で喋ってもいいんですよ。」
『ジョルノ、私…一人で買い物もしたいし外も歩きたいよ』
「夢主」
突然、ジョルノの声色が冷たくなる。
「君は分かってない、自分がどれ程危険なスタンドを持ってるのか。」
『でも、私…』
「運良く僕はあなたをタチの悪い奴らから救えて、こうして匿ってる。僕はあなたを愛してるから、守る覚悟を決めた。だから夢主、あなたにも理解して欲しいんだ…。」
『だからって、家族とも会えないなんて…っ』
「貴方は自分のスタンドを制御できてない。忘れたんですか、あの日のこと…」
その言葉に、思わず持っていた紅茶のカップを床に落とした。
ガシャンという大きな音とともにカップが割れる。
「夢主!怪我はないですか…!」

そう

私は一度自由に買い物に行かせてもらって
敵対する組織の人間に襲われかけた



__その人を殺してしまった

殺すつもりはなかった。ただ、少し抵抗するつもりだったのに。
気付くとその人は内臓から壊死して惨い死に方をした。
思い出すだけで吐き気のする残酷な亡くなり方だった。
それからジョルノには決してスタンドを使ってはいけないと言われた。

人を治すことに関してすら…。
ジョルノは、私のスタンドを信用していない。

「ごめんなさい…嫌な事を思い出させて。でも、僕は君にもう二度とあんな事させたくないんだ…。君の家族も危険に晒す事は、したくない。だからもう…」
『分かった…ごめんなさいジョルノ…ごめんなさい』
涙が頬を伝う。
ジョルノがそっと抱きしめてくれた。
ジョルノと私は婚約していた。
そして私は、完全にジョルノだけに依存している生活だった。



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