第12章 おつかい
そんなヒントから最終的に考えた先に辿り着いたのは雑貨屋
ピンとかヘアゴムとか売ってるし、他にもアクセサリー類も色々と売っていると言うあたしの提案から来てみた
『さて、どれにしようか』
「…」
お嬢ちゃんはどうやら値段を気にしている様子だが、全体的にあまり高くないことを確認し溜め息を吐く
安心したのだろうかと考えながら、並んでいるヘアアクセサリーに目を向けた
『男の子にあげるなら可愛いのは駄目だよね』
「でも、可愛いの似合うよ」
『本人が着けてたの?』
「うん」
可愛い物が似合って前に着けてくれていても、普段から使ってもらうなら可愛いのはダメだよなぁと考える
『うーん…』
やっぱり異性への買い物は難しい。同性ならこれなら!と思うけど異性の気持ちや好みを考えると悩んでしまい腕を組む
『前髪に着けるもの…』
「あ」
「これ、クラスの子が着けてた」
声をあげたお嬢ちゃんの目線の先にあるのはカチューシャ。可愛いのからシンプルまで健在だ
「…これにする」
『どれ?』
「赤いの」
赤いカチューシャというのにどこか引っ掛かった
だがお嬢ちゃんはそれを気に入ったようで、そのまま会計とラッピングしてもらい店員さんから受け取る
良いのが買えたようで良かったとほほ笑んでいると、またもお嬢ちゃんがもじもじしていた
「お姉さん、渡すの緊張するから…あの、」
『着いていこうか?』
「…いい?」
『うん。もちろん』
「…じゃ、呼び出す」
そう言って携帯を取りだし電話をかけ始めるお嬢ちゃん、今の小学生ってみんな携帯持ってんの?と疑問に思う
いやでもあたしも雪さんから心配だからと持たされていたなと過去を思い出すとともに、虹村先輩に遅いとか言われないようにメールしておこうと、メールを送った