第12章 おつかい
そんな出来事から、スポーツショップなど色々揃ってる場所に来た
なるべく軽い荷物から買い出ししているが荷物が多くなってきて足がおぼつかなくなり、あたしはズサーっと荷物を持っているため前回り受け身もできず転んでしまう。大変恥ずかしい
「お姉ちゃん、これあげるよ血出てる」
注目を集めてしまい顔を赤くしていると、見ず知らずの小学生くらいの女の子が来て絆創膏を差し出されたので立ち上がる
『ありがとう。お礼しないとね』
「お礼?」
『ん、お礼何が良い?高くなければおごるよ』
でも流石にこちらも中学生。高級レストラン連れてけとか言われたらどうしようかなと考えていると、もじもじしながら女の子が喋りだす
「じゃあ」
『うん』
「プレゼントを選ぶのを、手伝って?」
『ん、んん?それで良いの?』
「私1人じゃ、選べない…」
そう言いながら下を向き俯く女の子。長いのであだ名はお嬢ちゃんとすることにした
『…まあそれが良いなら一緒に選ぶよ。どこ行く?』
「ありがとう!お姉ちゃん!」
言葉を言った瞬間にパアッと言う効果音が付きそうな程明るくなったお嬢ちゃん
笑った顔が誰かに似ている気がするが誰だか分からず、とりあえず一緒にお店を回る
『お嬢ちゃんは誰にプレゼントをあげるの?男の子?女の子?』
「男」
『もしや彼氏?』
「違う」
『な、なんだ…びっくりしたよ』
「でも、何をあげたら…」
『その人、いつも何かに困ってたりしない?』
「部活が上手くいかなくて困ってる」
小学生でも彼氏がいる子はいるが、現実で見せられたら流石に困ってしまう
彼氏じゃないと聞いて安堵しながら、部活というと小学生のクラブのことか、もしくは年上なのかと推測する
『ごめんね、それは分かんないから他のない?』
そう言って提案すると、考え込む素振りを見せるお嬢ちゃん。どうやら普段の生活を思い出しているようだ
「いつも前髪まとめるの、めんどくさそうにしてる」
『ならピンとかゴムとかかな。あたしも部活で邪魔な時に結ぶ留めるかしてたし』
「いつもヘアワックスで固めてる」
お嬢ちゃんのそのプレゼントの相手はどれだけおしゃれに気を使ってるんだと気になってしまう
だが前髪を固めると将来ハゲるとかいう迷信もあるので少し不安だ