第12章 体育祭と黄色
「あ、そうだ!
俺、借り物競争でのお題が"好きな異性"って出たら、#NAME1#っちを借りるッス!」
・・・それあたしに死ねって言ってるのと同じじゃね?
お前のファン、どれだけ居ると思ってるんだよ
『別に、良いけどさ』
「ツンデレ可愛いッス!」
『涼太、ハウス』
「俺犬じゃないッス!」
『涼太の太の点を上に移動すれば"涼犬"だけど』
「そうッスけど、違うッス!」
『涼太が犬になったら大人気だろうね』
「全然嬉しくないッス!」
『そりゃ嬉しくないで…ああ!』
「どうしたんスか!?」
・・・ヤバいどうしよう!
征十郎が居ないからうっかりしてた!
『時間!
40分になっちゃう!』
「あ、忘れてたッス」
『ああもう!
走ろう涼太、あたしが殺されてしまう!』
そうして駆け出すあたし
そんなあたしを見て涼太は、あたしの手を取り走り出した
「いくら足が速いからって、俺より速くはないッスよね
手、借りるッス
しっかりついてくるんスよ!」