第12章 おつかい
それからしばらく練習する2人を見ていると、青峰の様子がおかしいことに気が付く
水道へと足を急がせ、空のスクイズに水とスポドリの粉末を入れてドリンクを作る
一緒にタオルを濡らし3軍の体育館へと戻り、タオルを青峰へと投げつける
「…いてぇな!」
『青峰、水分取った方がいいと思う』
「投げる前に言葉で言えっつの!」
『えーごめん…熱中症みたいな感じしたから、急がなきゃって…』
「熱中症、ですか?」
『いくら冬に向かってるとはいえ、いつの時期も水分摂取しないのは危ないよ』
そういえば夏に倒れていた誰かのことを助けたなと、テツヤのことをチラ見しながら言葉を述べていく
「お前良く分かったな。さすがはマネージャーか」
『いや、なんとなく分かった』
「…なんとなく、ですか?」
『うん』
でもなんで分かったんだろうか、青峰の様子はいつも通りの至って普通。貶すつもりはないがバスケ馬鹿でガングロで特になにも変化はない
先ほどのことを言われてか、青峰はスポーツドリンクをこまめに摂取している
もう大丈夫かと思い体育館を出ると大声で呼び出しされていることに気付く。走っていくと虹村先輩が血管を浮かせて待っていた
「苗字!!!!お前はどこに行ってたんだ!」
『に、虹村先輩、何で?』
「おい苗字」
『は、はい』
「部活の時にオレが着替え終わるまで待ってろよ。って言った覚えはないか?」
『覚えてません!』
「ああ?行くぞほら!」
言いながらあたしの頭を鷲掴みにして引き摺って歩き出す虹村先輩
こういう態度ほかのマネージャーにはしないのになぜかあたしだけ灰崎ほどではないがこういう扱いをされている気がする。訴えたら勝てるだろうか