第2章 赤いカレ
教室の前に着くと同時にチャイムが鳴り、あたしは担任に呼んだら来るようにと言い渡された
…ここで失敗したらいじめられてしまうんだ、失敗しないようにしなきゃと、どこから入ってきたのか分からない知識に頭を占領されつつも、ひたすら掌に人という字を書いて飲み込んでいた
「じゃあ、入ってきて」
『は、はい』
「はい、じゃあ自己紹介」
『て、転校生の苗字名前です。よろしくお願いします』
「うお!女だ!!」
「…ま、まあ、あんなもんだろ」
「ふー!かわいー!」
黙れクソ餓鬼と思いながらニッコリ笑う。野次を飛ばす人は反応を楽しんでいるだけなのだから無視が一番だ
他の子は普通の反応で拍手をしていたのたまが、その中に1人浮いた存在が一番後ろの席にて鎮座していた
なんでか目が合ったことにすごく嫌な予感がして、必死に笑顔を浮かべ続けた。そんな自分がすごいと思う
「じゃあ苗字さんは一番後ろの席に座って。あの赤い髪の男の子、赤司くんの隣」
『…はい』
やっぱ赤司知ってたな?て言うか操ったな?と真偽は分からないが、考えながら席へと目指すとまた多くの視線を感じた
…一応隣の席のことを聞いておこうかと思い話しかけようとすると彼はちょっと話しかけずらいオーラをまとっていた
『赤司君!』
「名前、よろしく」
『隣の席なんだね』
「…たまたまだ」
『そっか…よろしくね』
「ああ」
よろしくね。の時にとりあえず笑っておいたがどうなんだろう。彼は特に靡かない気がする
その自己紹介後すぐに授業へと突入したが、何となく隣の彼が気になって集中はできなかった
しかし内容は小学生のものなのだから、聞いていなくても普通に解けた