第2章 赤いカレ
「苗字さん!」
『あ、はい』
「初めまして!私は「ねー!ねー!名前ちゃん!」」
ちょっと待て自己紹介聞かせろクラスの子の名前分からなくなるのとか本当に困るんだからな。とツッコミを入れたいがいきなりやるとクラスで浮くと思い黙る
ここでは小学生に見えるように、少し大人びている小学生に振る舞えば良いのだ。頑張れ私
『こちらこそ、よろしくね!』
とりあえず周りに来てくれた子全員に向けて笑顔でまとめて挨拶すると1人あたしの方を向いていたのに急に後ろを向いた男の子がいた。あたしの笑顔はそんなに可愛いか
まあどうでもいい。なんて考えつつニコニコしていると左斜め前にいた女の子が少し顔を赤らめていたためどうしたのか聞くと、もじもじしながら答えてくれた
「名前ちゃんって、赤司君と仲いいの?」
『えっ』
「赤司君って、隣の男の子ね?」
『知ってるけど…えっと』
「親同士が少々知り合いでね、と言っても顔見知り程度だが」
「あ、赤司君!聞こえてたんだ!」
「…へー、そうなんだぁ」
うわぁ…女子怖い。て言うか赤司様の人気すごーい…と笑顔を絶やさずに考えていると、横から彼の謎の視線が感じる
こちらも女子に負けじと怖いなぁ…と考えながらその視線を無視していた
しばらくすると視線はあたしの目の前にいる女子へと向かっており、彼女は彼からの視線を喜んでいるようだった
「いいなぁ…赤司君の隣」
『(隣を変えられるなら私は変えたいよ!)』
「俺は転校生と仲良くできて嬉しいよ。隣の席の特権だからね」
『(フェミニストか!)』
何となく隣になった赤司に違和感を持ちながら何人かと会話を交わしていると、あっと言う間に時間が経ってチャイムが鳴ってしまった
その日の休み時間色んな子に話し掛けられ、相手がどう思ってるかはわからないがあたしは友達になれたと考えている
だけれども赤司との壁は変わらなかった気がした
名前で呼ばれているのにどうして壁を感じるのかは自分のせいなのか、それとも彼のせいなのか考えても答えは出なかった