第11章 秋季昇格試験
体育祭からしばらく立った日、バスケ部の秋季昇格テストがあった
とても大事な日。なぜならテツヤがバスケに対し、挫折を味わっているはずだから
だからと言ってあたしに何かできることはない。そろそろみんな自主練も終わってきたし、片付けをするかと備品をまとめる
「#NAME1#」
呼ばれた方向を向くと征十郎が立っていた
「そろそろ帰ろう、まだ何かあるなら手伝うが」
『あ、ううん。大丈夫帰る』
更衣室で制服に着替えて出ると征十郎に加えて緑間と紫原も立っていた
『…え』
「たまたま一緒になった。帰ろう」
「嫌なら別で帰るのだよ」
『そんなことは一切ない』
「#NAME1#ちんお菓子あるー?」
『…チョコ菓子でいい?』
「わーいありがと~」
そのまま帰ろうとしている彼らの横に並び歩き始めると、まだ電気がついたままの3軍の体育館の前を通りかかる
きっと今頃彼はバスケ部をやめる選択をしたいるんだろうと考えていると、征十郎もその体育館が気になったらしく視線を向けた
「最近3軍の体育館がやけに遅くまで電気が点いているな」
「あ~オバケいんでしょ?さっちんが言ってた」
「こんなところにオバケが出るはずないのだよ」
そのままスルーしようとしている彼らにおかしいと思う。征十郎がテツヤと出会ったのは今日辺りのはず
この後「やっぱり行こう」とか行って寄るのかもしれないが、行かないことになったら嫌だった
『オバケ、見に行こうよ!ね!』
「…何言ってるんだ#NAME1#」
『えー、だって会ってみたくない?なんで3軍の体育館にいるんですかーって…、あは』
ちょっと無理があったかもしれないが、征十郎は「せっかくだし行こうか」と3軍の体育館へ足を向ける
よかったうまく誘導できたかなあと考え、一人でうんうん頷いてから彼らの背を押す