第10章 芽生え
『…今、誰かあたしのこと呼んだよね』
「恐らく桃井だろう
ていうか、桃井の声以外に有り得ないだろう
あんなに声の高い男性が居るのか」
『今日来てる人達では居ないね』
確かに少し先にピンク色の髪が見える
あれはさつき以外にいないだろう
『さつき、どうしたの?』
「あのね!
2人でカヌー乗らない!?」
『…カヌー?』
カヌーって、船だよね
手漕ぎのあのー、リア充の憧れ手漕ぎ船
『あたしで良いの?
体力とかそんな無いけど』
「あ、そっか
じゃあ…メリーゴーランド乗りたい!」
そうさつきが目を輝かせて向ける先には白馬などが居る、メリーゴーランドがあった
『よし、行こうか』
やだ、さつき純粋で可愛い
ピュア峰に劣らずピュアですね!
「青峰くん達は?
メリーゴーランド乗る?」
「中学生にもなって乗りたくねーよ
てか目立つだろ」
「目立つから嫌なのだよ」
「ん~パス」
「見ているから行って来れば良いよ」
あの身長でメリーゴーランドなんて乗ったら、確かに目立つな(征十郎は分からんが)
見ているだけなら行ってきちゃおうかな
『よし、行こうかさつき』
「行こ行こ!」
『じゃ、征十郎達は待っててね』
「分かった」