第10章 体育祭
「ポニーテールでいいっスか?」
『なんでもいいよー』
「編み込み巻き込んだりするっス」
『どうぞお好きに』
迷わず髪を動かしていく彼に、普通の男性はこんなにヘアアレンジ出来ないんじゃないかと疑問に思う
『ずいぶん上手だね』
「オレ姉ちゃん2人いるのと、人の真似すんの得意なんで、だからっスね」
『へー』
「名前っちってシャンプーなに使ってんスか?」
『なんかピンクの奴』
「あーCMやってるやつっスかね?」
『多分それ』
椅子に座っているせいかまた眠くなってくる
ウトウトしてきたところで「出来たっスー!似合っててかわいいっスよ!」という涼太の大きな声で目が覚めた
目を開けるとと涼太が誰かから借りた手鏡を持っており、こちらに見せてくれる。ただの下ろしていた髪が編み込みとポニーテールの合わせ技で大変可愛くなっている
『ありがとう。ところで涼太』
「なんスか」
『そろそろ騎馬戦だけど大丈夫?』
「あーやばい!行かなきゃ!鏡ありがとっス!じゃ!」
去っていく涼太を見送ると。近くにいた手鏡を貸してくれた女の子のグループが話しかけてくれる
別に話したことがないわけではなかったが、いろいろな会話が出来て新鮮だった