第10章 芽生え
『くっそ、覚えてろよ』『このチビが!』
征十郎に合わせようとしたら、向こうから去っていった
捨て台詞を残して
・・・ん?
今チビって言ったよね、チビ…
「チビ…だと?」
『せ、征十郎
とりあえずありがとう、ありがとう
どうしてここにいるの?』
「あぁ、どういたしまして
どうせ迷子になってるんじゃないかと思ってね
案の定、迷子になってるじゃないか」
…ふぅ、良かった
征十郎の機嫌はまだそんなに悪くなかったみたいだ
「チビと言われたのは頭に来たけれどね」
違った…全然違った
完全に怒ってるよ、このままじゃオヤコロ司になっちゃうかも…うーん…
『征十郎は、あたしが少し見上げる程度の身長じゃん?』
最近征十郎が少し伸びて、ほぼ2cmしか変わらないけどね
『あたしからしたら、満足の身長なんだけど…
中学1年生の男子の平均なんて、152cmだし、ね?』
た、確か152cmのはず
同じクラスの名前の男子(ごめん名前何だっけ)が、149cmで嘆いていたのが4月頃の記憶にある
「…紫原や青峰ばかりに横抱きされてたじゃないか」
・・・その話し今持ってくる?
ていうか、誰だよこの目の前の人
『だって、征十郎だと背の高さ変わらないから…』
「俺だって#NAME1#くらい持てるさ」
本気で誰だよ
なんか征十郎がいじけ始めてるんだけども
うーん…なんて弁解すれば良いのだろう
背が高い3人と違って、良いところ良いところ…