第10章 芽生え
征十郎ってそんなおは朝信じてたっけ
いや別になんでも良いのだけれど
『あ、征十郎のハンカチ、マスカラで汚れちゃうけど大丈夫?
さっき緑間のハンカチなんて真っ黒くなっちゃったし
ほら』
征十郎のハンカチを目元から取り、緑間の真っ黒くなったハンカチを征十郎に見せる
元々は黄緑色だったハンカチが、所々が黒く染まってしまっている
「別に良い
#NAME1#の目が腫れるならハンカチの1枚くらいどうってことないさ」
『そっか…ありがと、征十郎』
あれ、でも#NAME4#さん、ウォータープルーフは泣いても大丈夫って言ってなかったけ
…まあ良いか
きっと泣きすぎただけだ
「#NAME1#ちん」
そんな言葉と共に、ベンチの後ろから背中に重みを感じた
と言うより、思い
『紫原、重いよ』
「#NAME1#ちん、ごめんね?」
『うん。大丈夫
でさ、なんで顔赤かったの?
緑間も固まってるし』
「それは内緒」
『…ふう
ちょっと顔の様子見にトイレ行ってくるよ
待ってて』
あ、ハンバーガーまだ食べ終わってない
まあいいや
「着いてこうか~?」
『紫原、あたしそこまで子供じゃないから』
「そういう意味じゃねぇし」
じゃあどういう意味だよ
という言葉をのみこんでトイレへと向かう