第9章 夏季試験
なぜ空のスクイズを運んでいるだけなのに巻き込まれたのか
どうせ片付けるだけだからいいけどと少し不満に思っていると、征十郎と緑間が知っている会話を始めてしまう
「…最近よく考えこんでいるな、赤司」
「ん?ああ…そうだな」
「…この前の全中のことか?」
「ああ…優勝こそしたが危ない場面もいくつかあった
来年、再来年のことを考えると磐石とは言いがたい。監督や部長もそこを懸念していた、そう思うだろ?#NAME1#」
『えっあ、…そうだね!』
「オレ達が実力をよりつけるのではだめなのか?」
「むしろ今でも戦力的には問題ない…ただ」
なぜあたしに振ったんだ?と思いながら少し考え込む素振りを見せる征十郎を見つめる
こちらに気づいていないのが見事に無視された
「今の我がチームはバスケットがすべて正攻法すぎる。だから奇襲への類への対応が遅れる時がある
ほしいのは変化…たとえば試合の流れを変えたい時重宝する6人目、そんな選手だ」
きっともうすぐ現れるからと彼らの会話を聞いていると少し遠くから叫び声が聞こえてくる
恐らく青峰がテツヤと出会ったんだろうと推測し、心がワクワクしてしまう
「今の…青峰か?」
「恐らく青峰なのだよ」
『話し終わった?あたし、スクイズ片付けてくるね」
「ああ、待ってるよ」
『うん、すぐ片付けてくる』
彼が1軍に上がってくる日を楽しみに、謎に征十郎と緑間に巻き込まれたあたしはそそくさと逃げていった