第122章 また会おうね
『痛っ!!』
ズダダダ。と大きな音を立てて落ちたのは学校の階段
それはあたしにとって7年ぶりに見るものであるが、この世界にとってはたった数秒のことなのだろう
それよりも、夢だったのかと疑えるほどだ
『…やっぱり夢、だったのかな』
背中が痛いが我慢して起き上がり携帯、持っていた黒バスを探した
ふと視界に入ったものが気になりその方向を見るとそれなり見慣れているものが倒れており、急いで駆け寄った
『これ、帝光の指定ネクタイ…!』
少し量が多く、数えていくと途中リボンもあって合計は7本だった
その数からキセキ達の物だと推測して、ぎゅっと胸元で握りしめて夢ではないのだと確信した
頬に一筋の涙が流れたとき、あたしを呼ぶ声が聞こえた気がして後ろを振り向くと誰も居なかった
でももう、記憶とこのネクタイだけで十分だ
_ずっと、忘れないよ