第122章 また会おうね
赤司side
「#NAME1#ちゃ、」
ふわりと髪を揺らして体育館の床に力なくへたり込む桃井
その目からは涙がボロボロと止めることなく落ちており、声をかけたかったが今の俺にはそれをできなかった
「#NAME1#っちの悪い冗談ッスよね?
またどうせ笑いながら俺のこと犬とか言って出てきて…今なら許すから、許してあげるッスから、早く出てこいよ!」
「黄瀬ちん、爪の跡ついちゃうよ」
「…どうでもいいッス」
「赤司!何で止めなかったんだよ!」
「…俺もそれが出来たら止めていたさ」
「青峰、赤司に言っても無駄なのだよ」
「緑間は辛くねーのかよ!」
「青峰くん、察しましょうよ
みんな大切な人が居なくなったら辛いハズです」
「っ、」
「…辛くないわけ、ないのだよ」
黄瀬は力強く拳を握りしめており、なだめる紫原は余裕の無いしゃべり方をしていた
青峰は黄瀬と同じ行動を、何かを誤魔化すように眼鏡のグリップを中指であげる緑間の目は少々赤くなっており、黒子は目尻に涙を浮かべていた
「…とりあえず、外へ出るぞ」
全員無言で外へ歩き出し、俺はその最後尾を歩いていた
ふと振り向くと#NAME1#がへたり込んでいる姿が見えた気がし、名前を呼ぶと誰も居なかった
「赤司くん?」
「ああ、すまない」
右手にあった#NAME1#からもらったリボンを握りしめて、俺は外へ出たと同時に涙が頬を伝った
体育館はまるで何事もなかったかのように静かだったが、そこには#NAME1#との思い出が詰まっていた
_また会う日まで、待ち続けよう
-Fin-