第122章 また会おうね
緑間とテツヤが抜けたことによりさらに透明に近くなったあたしを見て征十郎は顔を歪ませた
少し考える素振りを見せたあと彼は真面目な表情で口を開いた
「俺がここから出なければ、#NAME1#は消えないのかい?」
『…そう言ったら征十郎は出ないの?』
「そのつもりだが」
『確かにそうかもしれないけど…無理だよ』
「いざとなったら赤司の力を使ってでもここを何とかするが」
冷静に受け答えする征十郎に対してあたしは冷静ではあるが、彼ほど冷静にはなれなかった
それほどあたしを大事にしてくれているのかと、錯覚するほどに
『…そんなことしても、向こうの6人は入ってこれないよ』
「だとしても、#NAME1#が居てくれた方が喜ぶだろう?」
『そうだとしても、あたしはそれを望まない』
「…#NAME1#がそうでも、俺はその意見を通さないよ」
『なら、強行突破かな』
目の前に居る征十郎に向かって背伸びをして唇を重ねる
それは1秒、もしくはそれ未満の短い時間だったかもしれない。だがあたしにはとても長く感じた
『好きだよ、征十郎』
「#NAME1#、」
『だからこそ、お願い』
動じている征十郎のことを軽い力で押すと簡単に向こう側に行ってしまい、あたしの消えるスピードが増した
そのことで壁が無くなったのか、キセキ達は中へと入ってきてくれた