第122章 また会おうね
「お、居た居た!」
「ごめんねー、長話しちゃった!」
『大輝、さつき』
「…どうしたんだ?」
『あのさ、ネクタイとリボンくれないかな』
「リボン?いいよ!」
「堅苦しいの無理だからもらわれるとむしろ助かるわ」
『ありがと』
はい。と声を揃えて言う2人から受け取り大輝にはタオルを、さつきには手首にあった髪ゴムを渡した
今度は後ろから透きとおった声が聞こえて、テツヤなんだなーと分かった
彼にも同じようにネクタイをくれないか。と交渉すると渡してくれた
『じゃあこれ、お返し』
「…リストバンドですか?」
『うん』
「試合で使いますね」
『そうしてくれるとありがたい』
彼らを見ていると何となく罪悪感が湧いてきて、スッと顔を下に向けると再び足音が聞こえた
ここに来ていない人物は残り誰かでそれは容易に分かり、1番会いたくない人物でもあった
「待たせたね」
『征十郎、あの』
「赤司、#NAME2#が先程からネクタイを集めているようなのだが、渡したらどうだ?」
『…うん』
「ネクタイか…ああ、いいよ」
シュルッとネクタイをほどいてあたしに渡そうとする征十郎、ありがとうとお礼を言って受け取ろうとした
が、なぜか征十郎があたしの手首を掴み、パッと透き通った手が見えてしまった