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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第70章 さよならを





「お、もう居んのか、早えな」

「ごめんねー、長話しちゃった!」

『大輝、さつき』

「…なんだ?目赤くね?」

『あのさ、ネクタイとリボンくれないかな』

「リボン?いいよ!」

「堅苦しいの無理だからもらわれるとむしろ助かるわ」

『ありがと』


声を揃えて渡してくる2人からそれぞれのリボンとネクタイを受け取る

大輝には号泣してしまった時用に持ってきたタオルを、さつきにはバスケすると言われた時用に仕舞っていた髪ゴムを渡した

さつきのリボンはキレイだが、大輝のネクタイは今までもらった中でほつれていたり、切れているところがあったりとどういう使い方をしたのか気になる

そもそも彼も涼太もあまりネクタイを着けてたイメージはない
なぜここまで酷いことになったのかと疑問に思っていると、遅れてテツヤがやってきた


「すみません遅くなりました」

『テツヤ、ネクタイくれる?』

「いいですけど…何でですか?」

『記念に?』


彼には高校もよろしくねの意味を込めてリストバンドを用意していた

荻原君から1つもらったか分からないが合わせても2つ、1つでもテツヤが元々使っているのがあるからちょうどいいだろうとラッピングもされてないそれを渡す


「…リストバンドですか?」

『うん』

「なんで黒子っちだけラッピングされてるんスか!」

『高校一緒だから』

「ありがとうございます。試合で使いますね」

『そうしてくれるたら嬉しいな』


笑っている彼らを見ていると何となく罪悪感が湧いてきて、顔を下に向けると再び足音が聞こてくる

ここに来ていない人物は残り1人、1番会いたくて、1番会いたくない人物だった


「待たせたね、オレが1番最後かな」

『…征十郎、あの』


言葉が詰まる。ただネクタイくれと言えばいいだけなのにどうしてだろうかと考えていると、彼の視線があたしが持つネクタイに刺さった

上手く声が出せないのを察したのか、緑間が助け船を出してくれる


「赤司、苗字がネクタイを集めているようなのだよ。渡したらどうだ?」

『…うん』

「ネクタイか、構わないよ」


シュルッとネクタイをほどいてあたしに渡そうとする征十郎

先ほどの女の子の告白はどうしたんだろうかともやもやしながらお礼を言い受け取ろうとすると、彼に手首を掴まれた





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