第121章 春と恋心
『高校行ってもバスケ部かなー…』
「…バスケ以外にあるんですか?」
『あるっちゃあるけど…推薦がバスケだからな』
「それ以外選べないじゃないですか」
『そうなんだよね…』
まあ今さら変える気もないためどうせ高校に行ってもバスケ部だろうと思いどうでもいい考えを切り捨てた
行けたら。の話だが
『やっぱ桜咲いてほしいな』
「最近#NAME1#さん風景とかよく見てますよね」
『そう言われればそうかも』
「その度々消えそうに見えて、焦りますよ」
『消えそう?』
「幻覚なんでしょうけどね」
『…そうだね』
「どこか、行かないでくださいね」
『何かない限り大丈夫だよ。多分』
風景を見ているのがそんな消えそうに見えるのか…ならミスディレクションの時使えばどうだろうか。とまたどうでもいい考えが出てきたため切り捨てた
体育館の中から卒業式の準備をしている声が聞こえてきて、少しテンションが下がった
「中学生じゃなくなるんですよね。僕達」
『貫禄は既に高校生だけどね。テツヤ以外』
「え」
『テツヤ童顔だし、可愛し』
「可愛くありません」
『いや可愛い』
「可愛くありません」
そんなことを言い合っているとテツヤがようやく折れてくれて、テツヤ=可愛いということにあたしがした
あたしよりも背がでかいのに可愛いってずるいよな。と思いながらひたすらテツヤの頭を撫でていると、何か犬を撫でている気分になった