第121章 春と恋心
『あー、卒業か…』
「早いですよね」
『あっという間だったよね』
さらに後日、卒業式まで残り日数が1週間を経った日のこと
なぜかあたしとテツヤは体育館裏に来て、ほのぼのした会話をしていた(実際ほのぼのしているかは分からない)
「僕と#NAME1#さんは同じ学校ですが、会えなくなります…よね」
『連絡できるんだから大丈夫だろ』
「でも、直接会えないのはやっぱり…」
『まあそれは仕方ないだろ。運命だから』
「…#NAME1#さんは悲しいんですか?」
『そりゃ悲しいけど』
「全然そうは見えないのですが」
『気のせい気のせい』
会えなくなるのは基本的に誰でも寂しいだろう(嬉しい奴も居るかもしれないが)なんて冷めてることを思いながらふぅ…と溜め息を吐く
征十郎に会えなくなるのは…寂しくないわけではない
『あー、卒業式までに桜咲かないかな』
「それだと入学式が寂しげになってしまいすよ」
『だって何も咲いてないの寂しいじゃん』
「そうですけど…」
『どうせなら両方の時期に咲いてくれればいいのに』
「それは無理ですよ」
『いや知ってるけど?』
あたしそこまで馬鹿じゃないからね。と付け加えて言うとそうだったんですか?と返されて何かイラッと来た
けれど表情は笑っていて、癒された