第9章 夏季試験
『大丈夫?ドリンク飲んで』
いや写真撮ってる場合じゃない。熱中症だったら困ると黒子に声を掛けると彼は目を覚ました
どこを見つめているのか分からないが、カゴからドリンクを取り出し汗をかいている彼に渡す
「…すみません」
黒子の背中を支えドリンクを飲ませると、ゴクゴク飲つ
その間に1度体育館行き、残りのドリンクを置いて戻ってくると渡したドリンクは空になっているようだった
「ありがとうございます。誰にも気づいてもらえなくて死ぬかと思いました」
『そうなの?気づいて良かった』
「#NAME2#さん、ですよね」
『…あたしのこと知ってるの?』
「1年生で1軍入った人の恋人だって有名です」
『断じて違うから今度そういう噂あったら否定しといて』
スタンプラリーを優勝してからそんな噂があるが否定してもなかなか消えない
人の噂も七十五日だと何とか言い聞かせているがそろそろ七十五日なのだがいつ消えてくれるのだろう
『もう大丈夫?』
「はい。心配かけてすみません」
『ううん、体調には気を付けてね黒子君』
「…ボク、名前言ってましたっけ」
やらかしたと脳内が叫んでいる
どうしようと悩んでいるが、あたしにはマネージャーという立場があると通じるか分からない嘘をつく
『ブイン、ナマエ、オボエルノ、ガンバッテル』
「マネージャーってそういうことも必要なんですね…100人以上いるのに、尊敬します」
『…ありがとう。よろしくね』
「よろしくお願いいたします。#NAME2#さん」
『えー!せっかくだし名前で呼んでよ!あたしもテツヤって呼ぶ!』
「…#NAME1#、さん」
ちょっと強引に押し通してしまった気もするが、信じてくれてよかったと心の中でガッツポーズを決める
黒子の顔色が良くなるまで付き添っていると、怒りの声が体育館前に響いた
「#NAME2#!!いつまで時間かかってんだ!1軍戻ってこい!!」
『やべ虹村先輩だ。これ!3軍のみんなで飲んで!』
「え、あ、あの、ありがとうございました。」
『あー全然気にしないで!じゃあまたね!』
1軍に戻ると今度は1軍のドリンクを作ることになり。あーさっき重いのを運んだばかりなのにまたやるのかと考えながらもう何回かドリンクを作った