第120章 モテモテです
そう言えば征十郎にチョコを渡してないなぁと思い出して自分のスクールバックから1袋取り出してはい。と渡そうとした
その瞬間なぜか動悸が激しくなり、緊張していることが何となく分かった
『あ、の』
「…どうしたんだい?#NAME1#」
『チョコをあげようと思いまして…どうぞ』
「#NAME2#はなぜ敬語使っているのだよ」
「血の話聞いたからじゃないの~?」
「ちょっと怖いもんね」
「赤司のに血を入れるほど勇気ある奴いねーだろ」
横で震えていた緑間と大輝も復活して普通に話しているのを耳にしながらあたしはゆっくり1歩、前に足を出した
その分征十郎に近付き、鼓動は早くなって持久走が終わったあとみたいな状況だ。と頭の片隅で思ったがすぐに忘れるほどどうでもいいことだった
「…くれるのか?」
『毎年あげてるでしょ』
「そう言えばそうだったね」
『忘れてないくせに』
強がって出てくる言葉はいつも通りで、目の前に居る征十郎も同じくいつも通りだった
ただいつもと違うのは、動悸
「礼を言うよ」
そうふわりと笑った征十郎はあたしの持っていたチョコを取り、バックの中へと閉まった
受け取られる時に指が触れたからかさらに動機が高鳴り緊張しているのも、動悸が激しいのも、ただ1つのことと直感した
『(あたし、征十郎のこと好きなんだ)』