第67章 雪遊び
「それっ」
「わっ、冷たっ!青峰っち何するんスか!顔に当てないで欲しいっス!」
「雪と言えば雪合戦だろ、来いよ黄瀬」
「負けねぇっスよ!」
「元気ですね」
「元気だねー…オレお菓子食べたいなー」
「ふん…こんな寒い中遊ぶなんてオレはパスなのだよ。見学させてもらう」
「おらっ」
同じように投げた雪玉は見事背を向けた緑間の後頭部に当たる
さすがのコントロール力だなあなんて考えていたが、ぶつかった彼の肩が怒りでなのか小さく震えていた
「青峰ぇ!何をする!」
「シューターなんだろ、当ててみろよ」
『そんな分かりやすい挑発に乗るわけないじゃん』
「オレが外すことなどあり得ないのだよ」
『いやのるんかい』
「面白そうだね、参加しようか」
「えーやるのー?」
「おう、負けた人はみんなに中華まんな」
「えーやるやる!オレあんまん食べたーい」
「テツ小せぇから当たんなそうだな」
「心外ですね。でも今回はボクに有利みたいです」
まさかの雪合戦を始めてしまった彼らは白いブレザーのせいで雪と同化している
カラフルな頭と大輝の顔が目立つな、なんて平和なことを考えているとさつきがいないことに気が付いた
どこいったんだろうと周りを探すと彼らの邪魔にならないように身を屈め、手のひらに白い何かを持った彼女が駆け寄って来る
「名前ちゃん見て見て!雪うさぎ」
『…さつきはかわいいなぁ』
「赤い実が見つからなくて…目がないんだ」
『ううん。その葉っぱがついてるだけで雪うさぎってわかるよ』
「本当!?」
いつまでも持っているのは冷たかったのだろう。雪うさぎは誰にも踏まれないよう端の雪の上に戻された