第119章 着物でお正月
『…で、経緯を教えてくれるかな』
「なんのだい?」
『征十郎があたしの家に来ていた理由ですけど』
むしろそれ以外に何か経緯があるのかと疑問に思ったが、今気になっていることで頭がいっぱいのためその考えはすぐに消えてしまった
足元では夏祭りの時のように下駄がカランコロンと音を鳴らしており、懐かしい感覚がした
「昨日あいつらと話してね、初詣に行こうということになったんだ」
『うん』
「それで#NAME4#さんに連絡したんだ」
『先にあたしに連絡しろよ』
「#NAME1#にはなぜか繋がらなくてね、電源切ってたのかい?」
『あ、着信音がうるさかったからOFFにした気がする』
「相手は誰だったんだい?」
『涼太』
「…納得したよ」
言葉通りに納得という顔をして頷く征十郎にあたしは携帯を取り出して電源を付けた
そうすると着信音が鳴り響き、折ってやりたくなったが我慢した。偉い
『…もしもし?』
《#NAME1#っち!死んでないッスか!?》
『なんで死んだことになってんの!?』
《だって#NAME1#っちと連絡繋がらなくて…》
『(…だからって死んだことにするのはどうかと思うが)』
《ちなみに今日初詣なんスけど、来れるッスか!?》
『征十郎と向かってる』
《俺という者が居ながら不倫ッスか!?》
『いつ結婚したことになってんだよ』
耳がキーンとしてきたため携帯を耳から話して通話終了をしてからマナーモードへ、さらにそこからバッグへとしまう
今頃も多分電話が来ているのだろうけど、無視しよう