第118章 あげるよ
『ん』
帰り道、征十郎と2人になったため渡したのは先程のラッピングされたプレゼント
今日が彼の誕生日。というわけではないが先日渡せなかったため今渡しただけだ
「…てっきり忘れられているのかと思っていたよ」
『準備ができなかっただけ』
「礼を言うよ。ありがとう」
『どーいたしまして』
「今年のプレゼントは何だい?」
『…開けてみれば』
「#NAME1#が言うならそうさせてもらおうかな」
そう言って丁寧にラッピングを外し初め、中身を見た瞬間に目を見開きその後優しい笑みを浮かべてくれた
中身はとてもシンプルなものだが、ある意味嬉しいものだと思って良いだろう
「これは…」
『合格祈願のお守り』
「手作りかい?」
『し、知らない』
「#NAME1#は器用だね」
『(この世界だからこそですけどね)』
まあそれだけじゃなんだと思って他にも入れておいたのだが、喜んでくれているようで何よりだ
ちなみに他に入れておいたのは手袋とか…まあ冬に使えそうなもの
「来年はもらえないのかもしれないね」
『WC(ウィンターカップ)で会えたら渡すよ』
「勝ち上がってこれるのかい?」
『多分。ダメでも見に行くよ』
「そうか」
再度ありがとう。とお礼を言ってバッグへとプレゼントをしまう征十郎の姿を見ながら足を前へと動かす
時たまに自分の体の透けて見えたりすることもあるが、問題は今のところない