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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第66章 本当は





バレンタイン前日、先日さつきが一緒にチョコを作らないかと誘ってくれたことおり、学校帰り彼女と2人材料を買いに行きそのまま家に来てもらった


「お邪魔しまーす…」

『大丈夫、誰もいないから』

「そうなんだ。良かったぁ…」


荷物をリビングに置き、エプロンを付けて早速チョコ作りを始める

さつきには混ぜて固めてココアパウダーをかけるだけの生チョコにしようと話をしているため、変な材料は購入してないか念の為様子を確認してながら進めていく


『ちょっとさつき!お湯沸騰させちゃだめだって!』

「え!?沸いちゃった!」

『水混ぜて温度調節しよ』


チョコを細かく切っていき温度を確認した後湯煎に入れていく

さつきが溶かす作業をしているのを確認し、自分の分のチョコを刻んでいくと隣にいる彼女から話しかけてくる


「名前ちゃんさ」

『うん?』

「もう自分の気持ちに素直になってもいいんじゃないかな?」

『…え』

「みんなは分かってないと思うけど、好きだよね?」


何の話をしているのかすぐに分かった
だがあえて分からないフリをすることにし、そのまま手を止めずチョコを溶かしていく


『何の話?』

「赤司君のこと、好きだよね?」


彼女の言っていることにピタリと動きを止める。投げかけられた問いは間違いなかった

さつきがいる方向は視線を向けず、一度止めた動きを再開させる


『そう見える?』

「うん。ずっと思ってたよ」


最初は彼のことを支えて引っ張ってあげたいという思いがいつしか隣に立っていても恥ずかしくない存在で居たいという気持ちに変わった

小学生からの一番近い友人でいられるだけで、帰り道を共にできるだけで十分だったのに、一体いつから一方的でわがままな感情になってしまったのか

この関係性を壊したくなくて姉と弟のように振る舞ってきたが、さつきには見破られてしまうくらいのことだったのだろう


『…そうだね、征十郎のこと、好きだと思う』

「名前ちゃん!そうだよね!」

『なんか、口に出すと恥ずかしいね』


誰にも打ち明けず、自分の中で奥にしまい続けていた感情を口にすると鼻の奥がツンとして視界が滲んできた






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