第65章 初詣で合格祈願
『…な、何見てんの?』
「苗字、お前」
「え、青峰君が珍しく真面目な顔してる」
「はい。本当に珍しいです」
『…嫌な予感しかしないんだけどなー』
「いや、やっぱ言わねーわ」
『待って?そう言われると気になるんですけど?』
「じゃあ言うけどお前いつもより胸小さくなってねぇ?」
『あーそうだよね!大輝が褒めてくれるわけないよね!』
緑間は褒めてくれなかったが大穴で大輝が褒めてくれるかと淡い期待を抱いていたが無駄だった
隣にいるさつきが「最低!」と彼のことを怒ってくれている
気になると言ったあたしも悪いし怒ってくれているさつきに免じて許してやろうと溜め息を吐いた
「まあ、青峰だからね」
「でも最低だよ!」
「常識を考えるのだよ…」
『着物とか浴衣っていうのはそういうもんなの。毎年言ってるでしょ』
「また勉強会開こうか」
「和服について、試験に出ますかね」
出ないと思うしそもそも家庭科は入試に出る教科ではないんだがと思っていると、ふと紫原は正月明けが入試だと言っていたことを思い出す
彼の学力なら落ちることはないと思うのだが追い込みをかける時期
今日彼は来るんだろうかと、まだ来ていない紫原ともう1名涼太のことを考えているとちょうどその2人が現れた
『あ、涼太に紫原明けましておめでとー』
「おめでとうっス!名前っち着物なんスね!」
「おめでと~何か歩きにくそうだね~」
『歩幅小さくすれば何とかなるよ』
「きーちゃんとムッ君一緒に来たの?」
「いや信号待ちで一緒になったんス」
こうして全員揃ったので歩き出そうとすると「帰りにストバスに行こうぜ」とまだお参りもしてないのに騒ぐ大輝がいる
新年早々変わらないなあと笑いながら彼らと参拝し、みんなが志望校に合格すること、みんなと仲良く卒業できるようにとお願いさせてもらった