第64章 お呼ばれクリスマス
「…オレは名前と一緒に学校通い始めてから楽しいよ」
『見てて飽きないって言ってたもんね』
「昔の話だろう」
『まだ10年も経ってないよ』
だけどそれ以上一緒にいるような感覚がするのはほとんど毎日一緒にいるからだろうか
「名前とこんなに会わないの、久々かもしれないね」
『…そうね?』
言われて気が付いたが征十郎と会わないのが5日以上続くのは初めてかもしれない
征十郎と1週間以上合わないのは初めてかもしれない
小学生の時から長期休みでもバスケクラブで会っていたし、春休みも短かったのと中学入学の準備のための買い物を雪さんに連れられて一緒に行ったものだ
「来年も、クリスマス一緒に過ごしてくれるかい?」
『何言ってんの、ウィンターカップでしょ』
「…そういえばそうだね」
『会場で会えるといいね』
「出場できなくても応援に来てくれるんじゃなかったかな」
『うん。その予定だって』
何も変わらなければ誠凛も洛山もウィンターカップには出場するだろう
だけど涼太に大輝のコピーをさせたり、火神と大輝を戦わせたりと不安な面もある
どんな未来が待っているのか分からないが何があってもウィンターカップを見に行こうと心に決め、そのまま彼と一緒に家まで歩き自分の家の前で足を止めた
「名前、良いお年を」
『うん。良いお年を』
もう今年会うことがないであろう彼を見送る
白いマフラーと赤い髪がやっぱりサンタさんみたいだなと思いながら、後ろ姿が見えなくなるまで家の前で立っていた