第64章 お呼ばれクリスマス
食事を進めるとデザートにホールのケーキまで出て来た
明らかに3人分ではないサイズのそれの上にはサンタとトナカイが乗っており、一体誰が選んだのかが気になってしょうがない
また征十郎のお父さんに 「好きなだけ食べてくれ」と言われたが紫原でもないしたくさん食べようとは考えられず、8分の1に切られたケーキをもらった
同じサイズのものをそれぞれの前に置かれると、1つ余分に征十郎がもらっていた
「母さんに、あげてきます」
「ああ。頼む」
「名前、気にせず食べてていいよ」
『ありがとう』
一瞬2個食べるのかと思ったがそりゃそうだと、ケーキを乗った皿を持って立ち上がった青樹楼を見送る
出て行った彼の足音が小さくなっていくのを確認した後、今まで質問されてばかりだったのでこちらから質問することにした
『今回、何で呼ばれたんですか?』
「…特に理由はないな
征十郎がバスケの何の予定もないクリスマスが久々だというからご飯を食べる話になっただけだ」
『そこからなぜあたしが…』
「せっかくならクリスマスパーティーにして橙崎の娘も呼ぼうということになったんだ。人数が多い方がいいだろう」
言われてみれば確かにここ2年間はクリスマスとは縁がなかった
息子の部活がないからご飯を一緒に食べるのは分かる
しかしなぜそこからクリスマスパーティーの話になりあたしが呼ばれることになったのか、そしてパーティーの規模がこんなんでいいのか気になって仕方ないが、疑問は飲み込んだ