第114章 お願いだから
黒子side
「#NAME1#ちゃんただいま!」
『あ、お帰り』
「暇潰しできそうなものでねー、クロスワード買ってきたよ~」
「あとは占いの本なのだよ」
『ありがとー』
先頭の桃井さんに続いて#NAME1#さんの病室へと入っていき様子を見ると、黄瀬くんはベッドの脇の椅子に、#NAME1#さんはベッドに転がっていた
その姿がまるで病人に見えて僕の脳内がグラリとしたが、ただの骨折だとひたすら言い聞かせた
「黄瀬とは元に戻ったかい?」
「やっぱりあれ策略だったんスね!?」
『征十郎のすることは大体そうでしょ』
「赤司こえーもんな」
「青峰くんもっとオブラートに包みましょうよ」
「青峰には無理なのだよ」
「んだと緑間!」
賑やかな光景を見て笑みを浮かべる#NAME1#さんはゆっくりと起き上がり座る態勢に変えた
両腕を使えないのは不便なのかぎこちない様子で、見ていて少しハラハラした
そんな様子を見ていた緑間くんは何かを思い出したようにそうなのだよ。と呟いて口を開いた
「#NAME2#にぶつかった奴は知り合いと言っていたが、誰なのだよ」
「緑間、それは」
『いいよ征十郎、話すから』
「…平気か?」
『別に大丈夫だけど』
そんなやり取りを見た黄瀬くんは何かが分かったのか顔を歪ませ、#NAME1#さんは緊張をほぐすように1つ深呼吸をした
その口から出た言葉は信じがたい言葉で、なぜ黄瀬くんと赤司くんがそのような態度をとったか分かった気がした
『あれはね、あたしの実のお父さんだよ』
そう言い微笑んだ#NAME1#さんはどこかへ消えてしまいそうで、僕はいつのまにか下唇を噛んでいた