第114章 お願いだから
征十郎達が出掛けてからおよそ1分、互いに何もしゃべらないため時計の針が動く音だけ聞こえてきてめちゃくちゃ静かなことが分かる
『「(気まずい…!)」』
これだとあの6人が気を利かせて出掛けてくれた伊美がないと必死に話題を探してみたがあたしの脳内では見つからず、先ほどの光景を少し思い出した
…あ、なんか息がしづらいかも
「#NAME1#っち、ごめん」
『え』
「俺#NAME1#っち守るっていったばっかなのに、守れなかった」
『いや、今回は仕方ないよ
相手チャリだったし』
「でも」
『別にいいじゃん。骨折で済んだんだし』
「骨折で済んだって…もっとひどい可能性あったんスか!?」
『相手、刃物持ってたらしい』
「…それ聞くと紫原っちすごいッスね」
『本当にね』
2mは違うなぁ…と改めて巨人のすごさを体感して頷き、何となく脳内で立体起動装置が出てきたがスルーしよう。スルー
とりあえずケガしたのが全中が終わってからで本当に良かったよな。まあ9月辺りならそれなりに成績に関係するけども恐らく大丈夫…
『…9月?』
「今は9月ッスけど?」
『あたしの入院、1ヶ月だっけ?』
「そうなんスか?」
『…あたし体育祭出れない!』
せっかく身体能力がすごいキセキの世代全員揃っているから体育祭がどうなるか見たかったんだけど…それはまあ、仕方ないかな
それが何となくショックで長い溜め息を吐いてボスッと音を立ててベッドへと寝っ転がる
…本当、残念で仕方ない