第64章 お呼ばれクリスマス
いい試合だったが、帝光の先輩がいる高校よりも洛山の方が頭1つ抜けているのかシュートの決まり方や、リバウンド勝負が強く、試合結果は洛山の勝利だった
1つ学年が違うだけでもやはり動きが違ったので見ているのは面白かったが、今の洛山のポイントガードより征十郎の方が良い選手な気がしてしまう
これは身内贔屓もあるんだろうかと、またもダイジェスト映像始まったので背もたれによりかかった
『やっぱ洛山が勝ったかぁ』
「いい試合だったね」
『来年は征十郎があそこで出てるんだろうね』
「まだレギュラーになれるか分からないよ」
『いやなるでしょ、何言ってんの』
何なら主将になっていることすら知っている。それはもう1つの人格だったからなのか、それとも征十郎だったからなのかはハッキリしていない
主将になろうがならまいが、彼以上のポイントガードは知らない
今日のメンバーを見る限りどうせレギュラーに、いやスタメンになるんだろうと長時間同じ体制で疲れた体を伸ばした
「そろそろ父が帰ってくるころかな」
『え、もうそんな時間?』
「あまり遅くなるのも申し訳ないから今日は早く帰ってくると言っていたんだ」
『こっちが申し訳ないよ。全然予定合わせたのに』
「遅くなったら車で送っていくよ」
『…うん。遅くなったらお願いするね』
バスケ部の自主練していた征十郎を待っていた時の方が遅い気がするがと懐かしい日々を思い出す
すっかり冷めてしまった紅茶を飲み、そのまましばらく雑談していると彼の父親が帰宅したのかお手伝いさんが呼びに来てくれた
紅茶を下げようとしたがまたもスマートに断られ、手土産を持って移動を始めた