第114章 お願いだから
『…』
「一応テレビは見ても無料だから、何かあったらナースコールとか…まあ大丈夫よね」
『あ、了解です』
「それと移動は必ず車椅子でね」
『…了解です』
連れてこられた部屋はものすごく広く、トイレはもちろん、小さいTVに浴室まで着いており、さらには簡易キッチンと応接セットと言う物までもが着いていた
あ、ここで暮らしたい←
先ほど入院するために必要なものは届いたらしく受け取り、現時点で着ているものはシンプルなパジャマだ
「#NAME1#」
「やっぱり骨折だったのか
俺の予想通りなのだよ」
「あんだけで骨折すんのかよ」
「ちょっと青峰くん!
もう少し優しい言い方できないの!?」
『…悪かったな。あれだけで骨折して』
「腕も骨折ですか?」
『いや、ヒビ』
「ヒビで済んで良かったね~」
『ん?ん、うん…?』
紫原の言っていることが良かったのか悪かったのか分からないため曖昧な返事を返すと、俯いている涼太が目に入った
普段なら飛び付いてくるのになー。と疑問に思って首を傾けると目が合って、すごく微妙な空気になった気がした
「…赤司くん」
「ああ。#NAME1#、何か欲しいものはあるかい?」
『え、あ、特にないけど』
「何か欲しいものはあるかい?」
『…ひ、暇潰しできそうなもの』
「分かった。黄瀬、ここ頼むぞ」
「え」
「行くぞ、お前ら」
「はい」
そう言ってくるりと背を向けて病室を出ていく征十郎を初めとする6人
そんなに人数必要か?と疑問に思ったのだが、残ったのがあたしと涼太で再度微妙な空気が流れて何となく理由が分かった