第64章 お呼ばれクリスマス
そのまま1人でダイジェストを見ていると征十郎が紅茶を持って戻ってくる
一緒に高そうなクッキーがお茶請けとして添えられており、紅茶と軽々頼んだがティーカップも中身のお茶も高いものではないかと思わず手が震えてしまった
「ミルクと砂糖、好きに使ってくれ」
『…ありがとう』
そこまで気を遣わなくていいのにと思っていると、彼が絶妙な距離をとって隣に座る
ふとどうしてクリスマスに征十郎の家に来て並んでウィンターカップを見ているんだろうと、我に返ってしまい紅茶を飲む手が止まりそうになったがそんな疑問を持ってはいけないと振り払う
ちょうどダイジェストが終わり、試合は両チームの選手を映している
相手校は聞いたことある有名校、選手の1人が何だか見たようなことがある気がして首を傾げていると、征十郎の視線が刺さってきた
「何かあったかい?」
『…相手校の人、見たことあるような気がして』
「オレ達が1年の時の先輩だね、レギュラーだったよ」
『え?レギュラー?』
「…本当に人の名前を覚えるのが苦手だね」
『いやそんなことないってクラスの全員言えるよ』
「バスケ部のメンバーは?」
『言え…イエルヨ?毎日体調管理で名前見てたもん』
「全中でも背番号で呼んでたのに?」
『…ウン』
勉強は出来るのにどうしてバスケ部の後輩だけ覚えられないのかと考えているとスタメンが並び始める
先ほど言っていた先輩も、無冠の五将の3人もスタメンらしい。しかし洛山側の残り2人は知らない顔
双方が並び挨拶を終えればボールが上に投げられ、洛山のボールで試合が始まった