第114章 お願いだから
そう思った瞬間あたしの横にさつきと緑間が来て、さつきはひたすら背中をさすってくれている一方緑間は抱き締めて大丈夫だ。とずっと呟いてくれた
緑間の後ろでは大輝と紫原が男の対処をしており、テツヤと全員のバッグを集めていて、涼太は警察に征十郎は消防署に場所を明確に教えてつつそれぞれに指示をしており、あたしはそれを視界に入れていた
その後安心したのか、荒かった呼吸がだいぶ落ち着いてきたため緑間に回していた腕をゆるりと離してうつ向いた
『ありがとさつき、緑間』
「#NAME2#、こいつとは知り合いか?」
『知り合い…だよ』
「#NAME1#ちゃんと…どんな関係?」
「#NAME1#、彼は」
『分かってるからその名前出さないで、お願い』
「…ああ」
「#NAME2#、怪我はあるか?」
『右足がぶつかって倒れてから激痛』
「見た目も少し向きが変わっているな」
「…骨折の可能性が高いのだよ」
「わ、私テーピング持ってるよ!」
「桃井、貸してくれ」
「出すからちょっと待って!」
真面目な顔をしてテーピングを施していく征十郎
それが合っている巻き方、知識か分からないけども征十郎がやっているのなら合っているだろう
『チャリとぶつかって骨折って…情けないな』
「断言はしてない。可能性だけだ」
「#NAME1#ちゃんの骨、折れちゃったの?」
『そんなもう治らないの?みたいな感じで言わないでよ』
1つ溜め息を吐いて前に居る征十郎に寄りかかる
遠くから救急車とパトカーの音が聞こえてきて、とても耳を塞ぎたくなった