第63章 冬休みは受験勉強?
「さつき、ボール投げろ」
「それならまかせて!」
さつきが投げたボールを紫原が叩き、征十郎に回る
涼太と睨み合ったが、一瞬の隙を突いて緑間にボールが渡った
そんな彼のマッチアップがテツヤのためそのまま3Pを決めた流れに、この3年間何度も見た流れだと笑いがこぼれる
「いや、黒子っちに緑間っちはムリっスね、名前っち、黒子っちと一緒に赤司っち頼むっス」
『え』
「頑張りましょう名前さん」
「名前ちゃーんテツくーん!頑張れー!!」
手を大きく振りながら応援してくれるさつきに手を振り、征十郎の前に着く
誰の相手も出来ないが、さすがに彼の相手は出来ないんじゃないかと、いつもどおり余裕そうに笑っている彼になんだかイラついてしまう
「バスケで対決するのは初めてかもしれないね」
『いや、マネージャーと選手一緒にしないでよ』
「監督だろう?」
『どうあがいてもベンチだわ』
涼太がボールを持ったまま攻め込もうとするが緑間のディフェンスが固い、時間が経ってしまいそうなのでボールがテツヤに回る
そのまま方向転換をし大輝に回ったが、シュートの直前紫原のブロックでボールが彼の手に渡った
「くっそ!」
『やっぱ頭使わないと』
「使う頭がない場合どうするんですか?」
「黒子っちそれ普通に疑問で言っただけっスよね?オレらのことじゃないっスよね?」
「ちょっと〜始めるよー」
けらけらと笑いながらボールが征十郎に回るのを見て、気合を入れなおす
彼の前でなるべく意識をボールではなく彼だけにする
征十郎とは1番付き合いが長い。癖はある程度分かっていると、彼の動きを止めた瞬間テツヤが後ろからボールを突いた
『ナイステツヤ』
「名前っちー!パース!」
『いや、大丈夫』
久しぶりだけど知っている。テツヤが弾いたボールを拾い、そのままシュートモーションに入る
最後にちゃんと指導してもらったのは小学生の時、決して綺麗なフォームじゃないだろうがそのまま放ると、綺麗にリングを潜った