第112章 守られる人
「#NAME1#っち」
『ん?』
「その話、赤司っち達は知ってるんスか?」
『征十郎はさすがに知ってるよ
あとは虹村先輩あたりじゃないかな』
「…少ないんスね」
『そりゃこんな重い話なんてするものじゃないでしょ』
ギュッとさらに力入れて抱き締めてくる涼太はまるであたしの存在を確めているような感じがして少し冷や汗が流れた
いつものように殴り蹴ったりして無理矢理離しても良いのだが、不思議とそれはできなかった
「#NAME1#っち、ピアスの場所には他にも意味があるんスよ」
『それ先言えよ』
「左耳が守る人で、右耳が守られる人ッス」
『…それはつまり』
「俺が守る人で、#NAME1#っちが守られる人ってことッス」
『…あたし守られるのか』
守りたいってこの間紫原に言ったばかりなんだけど…まあ同性愛扱いされるよりはいいか
少し身体を離して涼太に向かって微笑み、頭に出てきた言葉を言おうと息を吸うとちょっと緊張した
『じゃあ涼太』
「なんスか?」
『これからあたしのこと、守ってね』
「もちろんッスよ!」
ピアスを開けたと共にできた涼太とできた約束
それはどこかくすぐったかったが、内心とても嬉しいものだった