第63章 冬休みは受験勉強?
そんな出来事から数日後、長い終業式を終え教室に戻り成績が書かれた紙を受け取る
相変わらずのすべて揃った数字に内心ガッツポーズをしながら席に着いた
「どーせ#NAME2#オール5だろ」
『とーぜん、テストも授業態度もいいしね』
「たまに寝てるがね」
「2バカに比べればマシでしょ」
「下を見るんじゃないのだよ」
「赤点取らなきゃOKっス!」
「寝ててもバレなければ大丈夫ですよ」
『ほらテツヤもこう言ってるし』
「そういう問題じゃないのだよ!!」
けらけら笑いながら呼ばれていく人が次々紙を受け取り、中身は分からないもののそれぞれ表情を変える
全員分配り終えた担任が「受験生なんだから冬休みだからってハメ外しすぎるなよ」とあたしたちのことを現実に戻した
テンションが下がる教室だが先生の熱は止まらず話を続けていく
「あと骨折!特に利き手!受験当日利き手と逆の手で受験することになるからな!」
『心配症だなあ…』
「インフルもなるなら今のうちなっとけ」
「せんせー、それはひどい」
「よく食べよく寝てよく勉強しろ」
「遊びたいよぉ…」
クラスメイトの言うことは最もだ。もう追い込みシーズンなので遊んでいる場合ではないのは間違いない
冬休みも塾の合宿漬けの人もいるだろう
色んな人の後頭部を見ながら久々に何も予定のない長期休みのことを考えていると、隣のクラスは終わったらしくガタガタと椅子を引く音が聞こえてくる
「じゃあ良いお年を、宿題ちゃんとやれよ青峰!」
「気が向いたらな」
「宿題はやらなくてもいいから受かってくれ」
「推薦なのにやべーだろ」
教室内に笑いが起きる。つられて笑いながら先生も言いたいことを言ったのかあいさつをして2学期が終わった
3学期の中で一番長いはずなのにあっという間だったと荷物をまとめていると恒例になりつつある出来事、涼太がやってくる