第112章 守られる人
「じゃ、じゃあ失礼するッス…」
『はい。どーぞ』
「#NAME1#っちは女子ッスから開けるとしたら右耳ッス
左だと同性愛者って意味なんスよ」
『…じゃあ涼太同性愛者?』
「男は右が同性愛者ッス!」
『男女で違うんだ…』
「さっき説明したッスよ!?」
涼太ってそういうとこ知識あんのにどうして普段はダメなのかなぁと疑問に持ちながら髪を耳にかけて、右耳が涼太に向くようにと座り直す
消毒してからしばらくすると冷たいものが触れ、ガシャンという音と共に右耳から痛みを感じた
『あー…確かに痛いかも
でも大騒ぎするほどではない』
「…俺不意打ちとかが一番苦手だからッスよ」
『て言うかうちの学校ピアスオッケーなの?』
「友達つけてたッス!」
『涼太男友達居たの!?』
「…#NAME1#っち俺のことどう見てるんスか?」
『駄犬』
「やっぱり#NAME1#っちひどいッス!」
言われたことを答えただけなのに何か色々言われているがあえて放っておき、違和感を感じる右耳を触る
そうすると耳元でリングピアスが小さく音を鳴らして、どこかくすぐったい気持ちになった
『…』
「耳、やっぱり違和感あるッスよね」
『#NAME4#さんに怒られちゃうかもなぁ』
「…#NAME4#さん?」
『あたしのお母さん』
「お母さんのこと名前呼びしてるんスか?」
『と言うよりも拾ってくれた人、かな』
言った瞬間に開いていた窓から風が入ってきてふわりとカーテンが揺れた
同じようにあたしと涼太の髪も揺れて、そのお陰で見えやすくなった表情は驚いたのか目が大きく見開かれていた