第112章 守られる人
相変わらず顔を強張らせている涼太の左耳を消毒していき、目印がついているところにピアッサーを当てる
そうすると全中のとき並みに緊張した様子を見せて、とりあえずツッコミたくなった
「あああ、#NAME1#っちストップ!
まだ心の準備ができてないッス!」
『えー…』
「お、オッケーッス!」
『よし』
今度こそ目印にピアッサーを当てて、開けようと少し力を入れる
それに対して涼太は目を瞑り、痛みにこらえようとしているらしい
『あ、待って』
「なん、痛ぁぁぁいッス!」
『…おっけ』
今あたしがやったのは、涼太の意識を耳からずらした間にガシャンとピアッサーで穴を開けただけだ
…て言うか、人の耳にホチキスをすると思うと嫌な気分にはなるけど仕方ないか
「痛いッス…」
『右は?どうする?』
「右は…え~と、あ、やっぱ今度にするッスかね!」
『…ピアス片方もったいないじゃん』
もう1つ、右側用のピアスを見てふぅ…と呆れた溜め息を吐く
確かに原作でもそんな奴があったけど…もう少し大輝みたいに何でも来いっ!って感じになろうよ涼太
『じゃあ涼太、あたしの左耳にそのピアスつけてよ』
「い、痛いッスよ!?」
『だってピアス片方もったいないじゃん』
「う…じゃあ、どうぞッス…」
『そうじゃなくて、涼太がやってよ』
「お、俺がッスか!?」
『あたしが涼太のやったんだから開けてよ』
「#NAME1#っちを傷つけるなんて…できないッス!」
『早くしろ』
もともとは両耳につけるつもりだったのか2つあるピアッサー
1つは涼太の耳に使ってしまったため残っているのは1つだけだが、持ち主が右は開けないと言っているため恐らく使っても大丈夫だろう