第63章 冬休みは受験勉強?
あっという間に冬休みがやってきた。スポーツ推薦の人で早い人は受験まであと1ヶ月
全員で過去問をやってみたところ、キセキのおバカコンビ2人が不安のため開かれたのは勉強会だった
『違うの!三角形が合同なのには色々説明が必要なの!』
「見た目同じだから別にいいじゃねぇかよ!」
「誰かの紙を借りて重ねれば証明できるっス」
「それではカンニングになるのだよ。馬鹿め」
「そもそも合同を証明して何の意味があんだよ!」
「ボクたちが今勉強しているのを無駄にしてますよ」
「この間スポーツ推薦が何とか言ってたじゃねぇかよ!」
「せっかく先生が空き教室を貸してくれたんだ。全力で勉強しろ」
「峰ちんが勉強するって聞いて先生泣いてたよね~」
「青峰君家帰っても勉強しないんだもん!」
「テストはいつも赤点ギリギリでしたもんね」
「桃井のノートのすごさを改めて知ったのだよ」
「情報収集が得意なくらいっスもんね!」
知っている通りなら彼らは合格するから問題ないんだろうけど甘やかすつもりはない
そのままこってり絞られる彼らはいつか見た時のようにしわしわになった
先ほどまで明るかったのに外がすっかり真っ暗になっている頃、ようやくお許しが出る
「…とりあえず今日の所はこれで許そう」
「まだまだなのだよ」
『紫原みたいに受験が早くなくて良かったよね』
「え、紫原っちの受験早いんスか?」
「正月明け~」
『ね?』
「オレ秋田じゃなくて良かったっス…」
安堵の溜め息を吐いている涼太に驚いた表情をしている大輝、まあ何となく理由は分かる
彼は恐らく全国統一で試験をやるなんて思っていたのだろう
「私達は1月中旬…だよね?」
『うん。征十郎以外はね』
「赤司はいつなんだよ」
「2月中旬だ」
「1ヶ月も違うじゃないっスか!」
「不公平だろ!」
「オレに言われても困るんだけどね」
「でも早く終わった方が良くね~?」
『…どうせ受かるだろうしね』
「少しでいいから学力分けろよ」
『そう思うなら勉強しな』
帰る流れになったのでカバンからマフラーを取り出し首に巻く、それの下に隠れていたラッピング袋が目に入る
見えないようにカバンのファスナーを閉め、帰ろうと教室を出る彼らの後に続いた