第62章 たまには中学生らしく
暗くなり始めている中こちらをみる目を猫みたいだなと思っていると、そのまま彼が話始めた
「黄瀬を家にあげた理由は?」
『髪いじりたいって言うから』
「両親は家にいたのかい?」
『いやいないけど、あたしだって涼太の家も征十郎の家も行ったことあるし』
「…黄瀬とオレは違うだろう」
『同じだよ。友達』
今度は征十郎が足を止めた
そのことには気が付いていたが、足を止めずそのまま歩き続ける
「弟じゃなかったのかい」
『それはごっこ遊びでしょ。征十郎だって友達だよ』
「…そうだね」
振り返ると少し距離が開いてそのまま立ち止まっていた
暗いので表情は分からないが、征十郎が隣に並んで来るまで待って再び歩き始める
「来週からは普通で頼むよ」
『何?普通って』
「服装かな」
『学校にこんな格好してかないよ』
「昔着ていたことがあっただろう」
『…それは雪さんの趣味だし、何ならもっとフリフリだったよ』
誰かにやってもらわない限りやらないだろうと、朝より巻きが落ち着いた髪を指に絡める
思えば服だって涼太と雪さんにコーディネートされた服くらいしか可愛い服は持っていないじゃないか
「似合ってるよ」
『へえ、ありがとう』
「…思ってないだろう」
『そんなことないよ』
そのまま彼に家まで送ってもらい、結局夕飯は食べてしまったので完全にカロリーオーバーな1日だと考える
夜、さつきから画像が届いたので待ち受け画面を彼らに変更し、いつもならなかなか寝付けなかったが今日は疲れていたのかすぐに眠ってしまった
夢の中でも彼らが出てきたのはどうしてなのか、話すと調子に乗ってしまいそうな人もいるので共有するのはさつきだけにしようと思う